介護施設で介護サービスを受ける選択肢

退院後の高齢者は、介護が必要になるケースも少なくありません。家族が介護できれば良いかもしれませんが、家族が仕事や育児で介護できない場合は、施設への入居を考えるのも一つの解決策です。

介護施設に入居できれば、介護の専門家である介護職員が高齢者個人にとって最適な介護サービスを施してくれます。また、バリアフリーの介護施設では、転倒といった事故も予防でき、安全が確保されます。

その上で、四六時中スタッフが見守りしてくれるので、認知症に罹患した高齢者であっても徘徊により行方不明になるリスクが低くなります。

さらに、介護職員は家族の相談にも乗り、認知症や介護の問題についてアドバイスしてくれるでしょう。高齢者自身も、同世代の高齢者と交流できて会話が弾む機会が増えることもあるようです。

しかし、いたれりつくせりの施設に入居してしまうと、高齢者は自力で日常生活を送る機会が減って、認知症や要介護度が進行することもあるので注意が必要です。

また、入居施設にいる他の高齢者の要介護度が高いと、要介護度の低い高齢者は他の高齢者との交流が難しく、孤立化してしまう事例も珍しくありません。高齢者本人の希望により入居した場合を除き、入居した高齢者の不満が高まりやすいデメリットもあります。

家族の都合によって施設入居を余儀なくされた高齢者は、少しでも施設に不満があれば声高に訴えることが多いです。家族から見捨てられたという感覚を持たないように、家族は頻繁に面会して高齢者の不安を取り除く必要があります。

高齢者の家族はこうした点を踏まえ、退院後に介護サービスを受ける選択肢も持っておきましょう。