入院時に考えておくべき高齢者の退院後

入院した高齢者は、環境の変化や治療のストレスなどから、身体機能、内臓機能、記憶力などの精神面での機能などが急激に低下することがあります。これによって、新たな病気にかかる可能性も出てきます。

特に入院の期間が長くなると寝ている時間も長くなり、褥瘡(床ずれ)ができたり筋力や体力が低下して歩行が困難になることがあります。

環境の変化によるストレスから幻覚や妄想などの症状が出たり、単調な生活が原因で脳への刺激が減り脳の機能の低下が見られたり、内臓の機能の低下による低栄養のリスクもあるでしょう。

そのため、高齢者の入院時には入院中の費用などのことと同時に、退院後の高齢者の生活について具体的に決めておくことが大切です。

まず、退院後は自宅で生活するのか、それとも高齢者施設に入所するのかを決めなければなりません。家族だけでは判断が難しい場合は、病院に常駐している医療ソーシャルワーカーに相談するのもおすすめです。

高齢者本人や家族の希望や、家族がどこまで介護を担えるかなどを伝え、安心して退院できるようサポートしてもらうのも1つの方法です。

どこで生活するのかが決まったら、高齢者の状態に合わせて、生活の質を考えた医療や介護の支援が受けられるようにしておきましょう。具体的にはリハビリ、療養上の管理、認知症やうつ病への対応など、高齢者に必要なサポートを入院時に確保しておく必要があります。

介護保険を利用するなら、早めに要介護認定を受けておくと安心です。